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TOEICの英文法参考書『文法特急』と『世界一わかりやすいTOEICテストの授業 Part5&6 文法』2冊の特徴を比較

TOEICという英語試験に特化した「英文法の参考書」を2冊解き終えました。

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どちらの参考書もTOEICに対応しているため内容が重なる部分も勿論あるのですが、

それぞれに違う部分もあって面白いなと感じました。

 

そこで、今回は『1駅1題TOEIC L&R TEST 文法特急』と、『世界一わかりやすいTOEICテストの授業 [Part 5&6 文法]』において、特徴的だなと思った部分についての話をします。

(1)『文法特急』:文法が正解を導く

私は先に『文法特急』を終わらせました(※1回全て解いただけ)。

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メインは1章~7章(※目指す得点別に章が分かれている)で、問題数は153問なので、問題数自体はそこまで多くありません。

単行本サイズ(単語帳サイズ)なので、持ち運びしやすいです。

 

1ページの表面に1問だけ問題、裏面にその問題の解説という構成になっていて、

いきなり問題から始まります。

 

特徴的だなと私が感じたのは、「最後の最後まで、(TOEICのPart5とPart6の問題を)文法問題として解くことを絶対にあきらめない」という姿勢でした。

つまり、「英文の意味や文脈から解答するのは、本当にそうするしか他に道がないときだけ」ということです。

 

TOEICという試験が、問題量が多く時間がないという理由もありますし、

「文脈から判断しよう」とすることで逆に不正解になるという理由もあるようです。

 

実際に、本書の「精密に文法で判断している」解説を読んで、

私が高校生のときによく間違っていた文法問題を、

今更ながら「あ、そういうことだったのか!」と理解することができました。

 

私は今まで、本書のp.119-p.120にあるような「現在分詞」「過去分詞」かを選ぶ問題を、

「あー!これどっちだったかな。えーっと、

『特徴づけている(=現在分詞)機械』か、

それとも、『特徴づけられている(=過去分詞)機械』か…。

…意味的に過去分詞かな?(解答を見る)

…あー違ったか、現在分詞の方か…」という感じで間違っていました。

a machine (  ) a control system(意味:コントロールシステムをorに---機械)

…(  )に入るのは、featuring(特徴づけている)かfeatured(特徴づけられている)か?

※説明のため、『1駅1題TOEIC L&R TEST 文法特急』p.119の問題を単純化

ですが、著者の先生が、わずか2行で、

「(  )の後ろにa control system(目的語)があるから、featuring(特徴を持つ)の方だよね」ということを書かれていて、

雷に打たれたように「あっ、そういう単純なことだったのか!」とようやく気づけました。

(※注:受け身の場合、第4文型(SVOO)か第5文型(SVOC)のような限られた文型以外では後ろに名詞を取らない。後ろの目的語が前に来て主語になっているのが受け身の文型のため。詳しくは、後述の参考書等をご参考ください)。

 

このように、意味で判断するよりも、文法で考えた方が、

どのように語句を変形させればよいのかハッキリするんだなと分かる例が沢山載っているのが『文法特急』の特徴と思いました。

 

ただし、後述の『世界一わかりやすいTOEICテストの授業』よりは上級者向けと感じました。

基準としては、「『関係代名詞』と『関係副詞』の違いが、サッパリ分からない。初めて聞いた」という場合は、

次で話す参考書か、別の文法書も併せて読んだ方が良いかもしれません。

(2)『世界一わかりやすいTOEICテストの授業 』:噛み砕いて説明

続いて、こちらの参考書を終わらせました(※1回全て解いただけ)。

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構成としては、Part5とPart6のそれぞれについて、攻略法(文法的な説明)と例題と演習問題がある形になっています。

他の参考書に比べると厚さが薄めなので、とっつきやすいです。

 

特徴的だなと感じたのは、「読者が本質的な部分を理解できるように、噛み砕いて説明しようとしてくれている」ということです。

 

「自動詞」と「他動詞」の違いの説明は、今まで見た中で、本書の説明が一番分かりやすく面白いと感じました。

(※ツッコミせずに「あっそう」で流すのが自動詞(後ろに名詞が来ない)で、

「何を?」とツッコミを入れるのが他動詞(後ろに名詞(目的語)が来る)という説明。

この説明が面白いなと感じたのが購入の決め手でした)。

 

また、著者の先生が「語源」に詳しいのだと思うのですが、言葉の根源にあるイメージを説明して、読者が憶えられるように配慮してくれているのも感じました。

 

その延長線上で、私が一番「なるほどなあ」と思ったのは、

「S V that ~」の形では、動詞(V)は「思う・言う」という意味になる

※『世界一わかりやすいTOEICテストの授業 [Part 5&6 文法]』p.58

という説明でした。

 

「直後にthat節を取る動詞が、認識か伝達の意味を持つ動詞に限られるなら、

どんな難しい動詞が来ても全部この形のときは動詞を『思う・言う』と訳せるじゃん。

もしくは、『思う・言う』系の動詞を選択肢から選べばいいよね」

という開き直りっぷりが面白かったです。

 

他にも同じような形についての説明が沢山載ってあるので、興味のある方はご覧ください。

 

ただ、分かりやすく文法的な内容もまとめられていますが、

be動詞や三人称単数形のような基礎中の基礎の話は省略されています。

 

そのため、その辺りの話がサッパリ分からないという場合は、他の文法書も併せて参考にするとよいかと思います。

(3)自分の理解度に応じて選択を

まとめると、問題がより豊富なのが『文法特急』で、問題の前に文法的な内容も丁寧にまとめてあるのが『世界一わかりやすい』、

文法を駆使した問題の解き方が分かるのが『文法特急』で、英語の元の意味(語源やイメージ)からも理解を促そうとしているのが『世界一わかりやすい』、

この2冊で比べると、より上級者向けなのが『文法特急』、より中級者向けなのが『世界一わかりやすい』という印象を受けました。

 

力を入れている部分がそれぞれに違うため、今の理解度や目的や好みに応じて選んでみてもよいのかなと思います。