『サル化する世界(内田樹著)』の1章分だけ、聞き慣れない単語の意味を調べて載せる。難しい単語を使いたいときの参考にどうぞ
どうも。もうこの本(『サル化する世界』)を読むのは三度目のギャクバリです。
1回目は普通に読んで、2回目はレビューするために読んで、3回目となる今回は、耳慣れない単語のピックアップのために読みました。
本当は単語の全部を調べて載せたかったのですが(単語は全て選び終わっているのですが)、量が多すぎて挫折したので、今回はとりあえず1章分だけ載せます。
単語を選んだ基準は、「初めて見たので意味がはっきりしない言葉」「意味は分かるけれども、自分では使ったことがない言葉」であるかどうかです。
私は普段、本を読んでいて、そこまで「よく分からない単語」に頻繁に出会うということは多分ないと思うのですが(昔の文体の本や門外漢の本は別)、
この内田樹さんが書かれた『サル化する世界』という本にはかなり多かったので調べようという気になりました。
同じく、この本を読んだ方、読もうと思っている方、もしくは、「時々、ちょっと難しい単語を自分の文の中に取り入れてみたいな!」という方は参考にされてみて下さい。
(1)「なんだかよくわからないまえがき」に出て来る単語
単語 | 読み | 意味 |
注進 | ちゅうしん | 事件を書き記して上申すること。転じて、事件を急いで目上の人に報告すること。 |
呪符 | じゅふ | 災厄を避けるために身につけるメダル・宝石・札(ふだ)の類。まじないのふだ。 |
瀰漫 | びまん | (ある気分・風潮などが)広がりはびこること。 |
(2)「Ⅰ 時間と知性」に出て来る単語
①「サル化する世界―ポピュリズムと民主主義について」に出て来る単語
単語 | 読み | 意味 |
ポピュリズム | populism | 大衆に迎合して人気をあおる政治姿勢。 |
※文中では、政治学の論文で「これまでの秩序を揺るがす不安定なファクター」という意味で使われているとのこと。 | ||
信教 | しんきょう | 教えを信じること。宗教を信仰すること。 |
遵法的 | じゅんぽうてき | 法の指示するところを尊重し、きまりを守って行動すること。 |
趨勢 | すうせい | 物事がこれからどうなってゆくかという、ありさま。なりゆき。 |
亢進 | こうしん | 病勢などが高い度合いまで進むこと。 |
②「時間意識と羌族の復讐」に出て来る単語
単語 | 読み | 意味 |
レプリカント | 映画「ブレード・ランナー」に登場する人間とほとんど区別がつかない人造人間の総称。 | |
威徳 | いとく | 厳かで徳の高いこと。威厳と人徳。 |
境位 | きょうい | ある思想や解釈による位置づけ。 |
崇敬 | すうけい | あがめ、うやまうこと。 |
考想 | こうそう | ※「こうそう」で変換できるが、インターネットでも電子辞書でも意味が出て来ず。「考え、想う」の意味か? |
方途 | ほうと | 進むべき道。物事を実現・解決するための方法。 |
整序 | せいじょ | 物事を秩序だてととのえること。 |
朗誦 | ろうしょう | 詩句などを声高に読むこと。朗読。 |
シーケンシャルな | 連続しているさま。規則的に続いているさま。順次的な。ITの分野では、対象が複数ある場合に、並んでいる順番に処理することや、連続して立て続けに処理することを意味する。 | |
アーリー・アダプター | 流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層。 | |
智者 | ちしゃ | ①道理をよくわきまえた人。知恵のある人。賢い人。②高徳の僧。 |
受肉する | じゅにく | 神が人の形をとって現れること。 |
創見 | そうけん | 従来にない新しい意見。独創的な見解。 |
祖述 | そじゅつ | 先人の学説を受け継いで発展させて述べること。 |
遡及的 | そきゅうてき(さっきゅうてき) | 過去に遡(さかのぼ)ること、または過去に遡って言及すること。 |
蓋然性 | がいぜんせい | ある物事や事象が実現するか否か、または知識が確実かどうかの度合い。 |
不明 | ふめい | ①はっきりわからないこと。②物事を見抜く力のないこと。「不明を恥じる」 |
怨恨 | えんこん | うらむこと。また、深いうらみの心。 |
指称する | ししょう | 指し示して呼ぶこと。また、そのときの呼び方。 |
③「新元号について」に出て来る単語
単語 | 読み | 意味 |
与する | くみする | ① 同意して仲間になる。味方する。②かかわる。関与する。 |
与さない | くみさない | 「くみす」の否定語。※辞書では、与しない(くみしない)となっている。 |
度量衡 | どりょうこう | さまざまな物理量の測定、あるいは物理単位のこと。 |
称揚 | しょうよう | ほめたたえること。称賛。 |
④「民主主義の時代」に出て来る単語
単語 | 読み | 意味 |
枯死 | こし | 草木が枯れてしまうこと。 |
扼殺 | やくさつ | 手や腕でしめ殺すこと。 |
アナーキー | 無政府状態のこと。 また無秩序な状態のこと。 | |
恩沢 | おんたく | 人や物に利益や幸いをもたらすこと。また、そのもの。おかげ。恵み。恩恵。 |
上意下達 | じょういかたつ | 上位・上層の命令を下位・下層へと伝え、意思の疎通を図る方法。トップダウン。 |
衰微 | すいび | 勢いが衰えて弱くなること。衰退。 |
引用:Weblio辞書、goo国語辞書、コトバンク、Wikipedia、電子辞書より引用。
「アーリー・アダプター」と「指称する」は、単語に貼っているリンク先から引用。
(※同日追記:携帯から途切れずに見えるように、表を細長くしました)
(3)これは手強い!けど勉強になった
私は普段、文脈で読んで、単語の意味を調べないことも多いのですが、
こうして真面目に調べてみると「そういう意味だったのか」と勉強になりますね。
特に、「不明(を恥じる)」は、漢字から「明らかでない=よく知らない(ことを恥じる)」の意味だと思って読み進めてしまいましたが、
「不明を恥じる」で、「物事を見抜く力のないことを恥じる」という意味なんですね。
また、トップダウン方式の日本語訳が、「上意下達(じょういかたつ)か!なるほど!」と、こちらもまた勉強になりました。
カタカナで書きたくないときに使えそうな単語ですね。
ちなみに、読み方を最初「じょういげたつ」だと思っていました。「かたつ」だそうです。
この調子で、読み慣れない、使い慣れない単語が、5章分と長い対談分あるので、全部でかける6倍分はあります。
なかなか手ごわい本でした。
「意味が分からない単語」だけでなく、「自分が普段使わない(けど使えそうな)単語」も載せているので、使えそうなときがあれば使おうかなと思っています。
個人的には、この中では、瀰漫(びまん)と衰微(すいび)が良さげに感じますね(内田さんも本書の中で度々使っている)。
いや、瀰漫(びまん)は使いたいけれど、止めておいた方が無難かもしれません。
皆様も、使ってみたい単語はありましたでしょうか?
以上になります。残りの単語は、思い出したときにまた調べてブログに書くかもしれません。
次回は、「本に自分が知らない単語が載っているということはどういうことか」という話をします。
次回の話のために、今回色々な単語を載せたところもあります。
頭を柔らかくするために絵本のレビューに挑戦
どうも。子どもの頃は絵本もよく読んでいたギャクバリです。
少し前に、ブロガーのなお吉さんから、ジョークで、
さじさんが絵本の「ウエズレーの国」のレビューをして欲しいって言ってました
ほんとです。
というコメントをいただきました。
それで、「そういえば絵本のレビューを一回も書いたことがなかったけど、試してみたら面白そう」と思い至ったので、
今回は、いつものような硬いレビューではなく、ふわっとした絵本のレビューを目指します。
選んだ絵本は、『こんとあき』と『いもうとのにゅういん』という、子どもの頃から好きだった絵本です。
どちらの絵本も、林明子さんの絵で描かれているという共通点があります。
本当は全く読んだことのない絵本を選ぼうと思ったのですが、やはり思い入れのある絵本にしました。
ブロガーのさじさんの記事を読んで、『こんとあき』の絵本のことを思い出して久しぶりに読みたくなったというのもあります。
思い出させてくれて、どうもありがとうございます。
- (1)『こんとあき』と『いもうとのにゅういん』という絵本のレビュー
- (2)筒井頼子さん&林明子さんのタッグの絵本はどれもよい
- (3)頭を柔らかくするために、たまには違うジャンルの本を読んだり感想を書いたりするのもアリだと思った
(1)『こんとあき』と『いもうとのにゅういん』という絵本のレビュー
まずは、『こんとあき』のレビューからです。
①絵本のあらすじ:「あき」という女の子と一緒に過ごしてきた「こん」というぬいぐるみの腕がほどけてしまい、治してもらうために二人でおばあちゃんのうちへと旅する話。
②絵本の感想・解釈:ぬいぐるみが話して動いていることを大人も当然のように受け入れている、温かく柔らかい世界が描かれている。
ハプニングが起こっても「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言ってくれる「こん」の頼もしさと、それでも完璧には行かずにハラハラさせられる感じ。
子どもと、かつて子どもだった全ての人の中にある“ぬいぐるみ”のイメージが見事に描かれていると思う。
絵本のレビューとなると、この「①(結末を書かない)あらすじ」と、「②絵本の感想(または解釈など)」の2つに分けて書くのが、個人的には収まりが良いように思いました。
小説等の感想の場合も同じかもしれませんね。
それにしても、レビューがあまりふわっとしていないような気もしますが…、
「ハラハラさせられる感じ。」で文章が終わっているのが、ゆるい感じということで、次に進みましょう。
続いて、『いもうとのにゅういん』のレビューです。
①絵本のあらすじ・状況設定:妹のあやちゃんが入院したときの、あさえの心の動きを丁寧に追った話。
②絵本の感想・心に残った場面:この絵本作家のお二人は、大人になってしまえば冷静に対処できる、けれども、子どもにとってみればドキドキするような大事件を通して、子どもが一つ大人になる瞬間をとらえて描くことに、とても長けていると思う。
最後にあさえが、お姉ちゃんとして懸命に考えて見せた思いやりに、じんと来る。
うーん!やっぱり何か、かたっ苦しい文章ですね!
私の中のふわふわした言葉はどこに行ってしまったのだろう。
それでも、いつも書いている文章よりはマシでしょうか?
それだけでなくて、②の感想の文章の一文が長すぎて、かなり読みにくかと思うのですが、「子どもにしてみればドキドキの大事件を通して、子どもが大人になる瞬間をよく捉えているなあ」という話です。
「大人からしてみれば、冷静に対応できるけれども」という余計な文がくっついた一文になっています。
(2)筒井頼子さん&林明子さんのタッグの絵本はどれもよい
『こんとあき』は、林明子さんが絵も文も担当している名作ですが、
『いもうとのにゅういん』や『とん ことり』といった、文を筒井頼子さんが担当して、絵を林明子さんが担当している絵本も、どれも素晴らしいと思います。
レビューにも書きましたが、「子どもにとっての一大事」の場面を切り取って、読者をハラハラさせてくれる作品が多いように思います。
『こんとあき』は、「ぬいぐるみがほころびてしまった&遠出」という一大事、
『いもうとのにゅういん』は、タイトル通り「妹の入院」という一大事、
『とん ことり』は、引っ越しという一大事、等ですね。
なので、これらの絵本を子どもに読んであげることで、子どもに心の準備をさせてあげることにもなるのではないかなと思います。
文字に書いていなくても、絵に描かれている情報だけで読み取れるような、林明子さんの絵も素敵です。
(3)頭を柔らかくするために、たまには違うジャンルの本を読んだり感想を書いたりするのもアリだと思った
本当に久しぶりに絵本を読んで、しかも初めて感想を書きましたが、頭がほぐれたような気がしました。
読んで下さった方からすると「いつもと文章の調子が変わらんやんけ!」と思われたかもしれませんが、
私としては「だいぶ崩してレビューを書いたなあ」という思いがしています。
たまには違うジャンルの本を読んだり感想を書いたりすると、新しい発見がありそうですね。
以上になります。絵本レビューのアイデアをくれた、なお吉さんとさじさん、誠にありがとうございました。
次回は、前にレビューを書いた『サル化する世界』という本を読んで、意味の分からなかった単語や、聞き慣れなかった単語の意味を、ずらっと調べて書きます。
その後に、言葉についての話を書きたいので、その前置きではあるのですが、単語を調べて書くのに時間がかかると思うので、更新は7/17の金曜日以降になると思います。