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映画『とびだせ!ならせ!PUI PUI モルカー』初日鑑賞感想―なぜモルカーを飼いたくなるのか考察

最近、モルカーの再放送をYoutubeで観ていたら、「モルカーを飼いたい」という思いがムクムクと湧いてきたので、『PUI PUI モルカー』の映画を初日に観て来ました。

私が住んでいるところは感染が落ちついているということと、自分なりの感染対策で、館内で飲食一切せず(マスクを外さず)の視聴でした。

「え?モルカーって何?」という方、こちらです。

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右:映画特典のモルカーボール。左:「グッズはもう買わない」と言っていたけれど、グッズじゃなくて「シロモ」なのでセーフ!(は?)

見ての通り(?)、車ですね。

「モルカー」というのは、「モルモット」と「カー(車)」を組み合わせた造語です。

 

物語は、人間が自動車の代わりに、この「モルカー」に乗るようになった世界の話で、

映像は、写真を何枚も撮って繋ぎ合わせた「ストップモーションアニメーション」という技法で作られているようです。

 

映画自体は、2021年1月から放映されていた2分40秒のアニメ12話分をそのまま流している内容だったわけですが、

改めて映画館の3D大画面で観た感想と、映画を観ていて気づいた「なぜモルカーと一緒に住みたくなるのか」の答えについて今回は話します。

(1)現実通りに物騒な世界の平和な物語

『モルカー』は、ふわふわなキャラクター(モルカー)たちが織り成す話なので、

一見「ファンシーなユートピア(=理想郷)的な世界が舞台なのかな?」とイメージされるかもしれません。

 

ですが、実際は1話から警察(パトモルカー)が出動するような事件が起こる等、車にまつわるトラブルが満載の世界です。

ほぼ毎話ごとに事件が発生するという意味では、ある意味『名探偵コナン』等と似たような世界観と言えます。

 

ただ、舞台は現実世界をそのまま反映している一方で、

展開される物語自体は、優しいモルカーたちが奮闘して、素敵な結末を得るという、平和なものです。

 

この「現実世界からかけ離れていない物騒な世界観だけれど、どの話も観終わってほっと安心できる」というのが、『モルカー』のストーリーの魅力なのかなと感じました。

 

さらに映画館の大画面で観ると、人間(ミニチュアの方)の表情がよく見えたり、

私は3D画面で観たので、より一層モルカーたちが生きているように感じられて、パソコンやスマホの画面から観るのとはまた違った良さがあったように思いました。

 

でも一番は、モルカーたちがピンチのときや、そのピンチを乗り越えたときに、

子どもたちが音の鳴るモルカーボール(※映画館特典)で「プイプイ!!」と大合唱させていたことですね。

 

聞くたびにマスクの下で笑顔になっていました。

もしかしたら大人が鳴らしていた可能性も無きにしもあらずなのですが、

子どもが鳴らしていると想像するとより微笑ましく思えたので、子どもで想像させてもらいました。

(2)なぜモルカーを飼いたくなるのか?

それで、モルカーを見ていると、無性に「モルカーが家に居てくれたらいいのにな~」という気がしてきて、「何故だろう」と考えてみました。

 

と言うのも、ずっと犬や猫等のペットを飼ったことがなく、見て「可愛い」とは思うものの「飼いたい」とまでは思ったことがなかったからです。

 

そこで、映画館で改めて観ていて気づいたのが、「すごくモルカーの表情が多彩だな」ということでした。

 

モルカーが驚いたときは、『ムンクの叫び』のように顔が縦長に伸びますし、

悲しいときには涙を流し、決意を固めたときにはキリッとした目になり、嬉しいときには口を開けて喜びます。

 

凄く驚いたとき用に、大きな目も用意されているのが印象的です。

つまり、現実の生き物よりも、表情がマンガ・アニメ的(=記号的に誇張されている)で、何を考えているのか分かりやすいんですよね。

 

表情がイキイキとしているから、「そばにいてくれたら色々なドラマが生まれて、見ていて楽しいだろうなあ」と思えるのが、モルカーを飼いたくなる理由なのかなと個人的には結論づけました。

 

私の場合、「モルカーに乗りたい」というよりは、手のひらサイズくらいのモルカーと一緒に過ごせたらいいなという感覚ですね。

野菜を食べるのが好きなところもまたいいです。ずっとレタスやニンジンやトマトをあげて、モルカーが食べているのを眺めていたくなります。

 

そう思えるくらい、『モルカー』という作品がよくできているということなのでしょうね。

(3)パンフレットで答え合わせができる

最後に、アニメと同じ内容の映画を観に行くくらいの私と同様、奇特な方は、

行くところまで行ってパンフレットも買うと、全話の絵コンテが載っているので、「ここは、こういう意図だったのか」という答え合わせができて、むしろ満足感が高くなるかもしれません。

 

ここまで説明して来ませんでしたが、『モルカー』では台詞は一切出て来ず、モルカーの鳴き声(本物のモルモットの鳴き声)やBGM等のみで構成されているので、どう解釈するかは観客に委ねられているところが多々あります。

 

ですが、パンフレットに載っている絵コンテの説明書きを見ると、

実際の映像では「プイプイ」という鳴き声で表現されていたモルカーの台詞が載っているところもあります。

私もパンフレットを読んでみて、「やっぱりそうだったのか」と思うところと、「あっ、そういうことを言いたかったのか」と思うところの両方がありました。

 

なので、答え合わせもできますし、見里監督の絵がびっくりするくらい上手くて丁寧で、そのまま漫画になりそう(特に1話のDJモルカーの運転手の足を上げている絵)なのが一見の価値ありです(美術大学を出ている方に絵が上手いというのも逆に失礼な気もしますが、漫画的な上手さがあって驚いたということです)。

 

こう言うと「じゃあ、映画を観ずにパンフレットだけ買って帰るのもあり?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

確かに一理ありますが、映画は映画で、エンドロールで撮影風景の写真を見ることができて、特にテディの運転手の実写映像の撮影風景が、なかなかのシュールさで面白かったですよ。

 

最後に、「百聞は一見にしかず」ということで、公式の1話の動画を載せておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=L_o2VrBJQPQ

(※埋め込みの形で載せられないようになっていたのでリンクを貼っています)。

 

何にせよ、モルカーの内の一匹、シロモが家に来てくれたので私は満足です。プイプイ。