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映画『カイジ ファイナルゲーム』を観た感想:全カイジシリーズ要素が散りばめられ、日本の社会問題を真っ向から取り扱っている作品。面白かった

カイジ ファイナルゲーム』を映画館で観て来ました。

 

結論から言うと、面白かったですね。

 

せっかくなので、詳しいネタバレなし感想(短い)と、ネタバレあり感想の両方を書いておきます。

①ネタバレなし感想:今までのカイジシリーズの要素が全体に散りばめられていて、カイジシリーズのオマージュ、もしくは集大成っぽくもあった。『カイジ』らしいシビアな人間観も出ていて良かった

「ファイナルシリーズ」と銘打ってあるだけあって、

漫画のカイジシリーズの名シーンや印象に残る部分を、ふんだんに、それとなく再利用していました。

 

一方で、核となるストーリーは別にあるので、

カイジのあのシーンを使っているなあ」と思いつつ、

核となるストーリーはストーリーで楽しめる仕上がりなんじゃないかなと思います。

 

ただ、割と最初の方から「カイジがこういう言動するかな?」と思う言動がありますが、

最後のテロップを見たら福本先生が2人いる脚本の内の1人で、最初に名前が出ていたので、原作者公認ということで、安心して観てよいのではないでしょうか。

 

原作者が正しいと言っているのに、「いやこれは違う」と言うことほど野暮なことはありませんからね。

 

映画は2時間くらいで話を収めないといけないので、どうしても荒削りに感じる部分もありましたが、

核となるギャンブルの「所詮、人間ってこういうことでしょ?金(かね)が全てなんでしょ?」とせせら笑っている感じが、なかなか『カイジ』らしく秀逸でした。

 

あのギャンブルを映し出した画面を見るだけでも、映画化した価値はあったんじゃないかと私は思います。

 

あまり話しすぎるとネタバレなし感想でネタバレしてしまいそうなので、このくらいにしておきます。

何となくどんな映画かイメージが付きましたでしょうか?

 

それでは、次はネタバレ感想を書くので、ネタバレを見たくない方は、ここでお別れです。

また、映画を観てから、以下の感想はご覧ください。

 

 

(以下、ネタバレ注意)

ネタバレあり感想:日本の社会問題への危機感が作品から強く感じられ、『カイジ』を通して真っ向から考えようとしている。最後に、きちんと結論も出しているので、観て良かったと思える作品。「人間秤」の絵面も秀逸

この『カイジ ファイナルゲーム』、実は、時代設定が現代日本ではなく、

少し先の未来の日本が舞台となっています。

 

少し先の未来と言いつつ、実際は、今の日本の現状をかなり誇張した形で示していると考えても良いと思います。

 

カイジ派遣社員として働いていて、給料の7割はピンハネされ、

1か月の給料が何千円くらいしかないのに、ビールの値段が1000円!

 

「地上が(帝愛の)地下みたいだ」というようなことをカイジが言っていましたが、まさにそういう状況です。

 

この「ビール1000円」の値札を見て、「日本じゃあり得ない」と思うか、

「ひょっとしたら、日本のこの調子だとあり得るんじゃないか?」と思うかで、

映画の世界観にどのくらい入り込めるかが違ってくるかもしれません。

 

私は、どちらかと言うと「あーあり得そう!(笑)」と思ったので、すんなり映画を観ることができました。

 

政府が預金封鎖する話も「絶対ないとは言い切れないかな」と感じましたし、

脚本家自身も実際に日本であり得ることだという危機感を持って描いていたんじゃないかと思います。

 

正社員と派遣社員の問題も、近未来の日本のこととすることで、

上手くフィクション化というのか、客観視させつつ、

「誇張されているだけで、今の日本も似たような問題を抱えているんじゃないの?」と考えさせる作りになっているところが上手いなと感じました。

 

最終的に、カイジと、政府高官(?)の人とが意見を戦わせますが、

カイジの言い分が、この映画の答えと考えていいと思います。

結論を出すことから逃げずに、

映画としての答えを出しているところに私は好感を持ちました。

 

なので、個人的には「観て良かった」と思っています。

 

続いて、『カイジ』の話なので、作中のギャンブルがどうだったかの話に移ります。

 

ギャンブルに関しては、漫画のカイジ程の緻密さやキレは見られませんが、

細かい説明に向かない映画という媒体では仕方のないことかなと思います。

 

それよりも、映画ならではの見栄えのするギャンブルとして、ネタバレなし感想の方でも触れましたが、「人間秤」のコンセプトが秀逸だなと感じました(オチはともかく)。

 

あのギャンブルは、

「人間の価値(重さ)は、FAMILY(家族)、FRIEND(友人)、FAN(味方となる聴衆)から、どのくらい金(カネ)を集めることができるかでしょ?結局のところ」

という『カイジ』らしい、「金が全てという考え方」の体現が見事になされていました。

 

カイジ』作中で敵の利根川も「金は命より重い」と言っていましたが、

その流れを忠実に汲んでいて、「まさにカイジ!」と思いましたね。

 

金を多く集めた人間が乗っている方が重いので、天秤が重い人間の方に傾くという絵面に、強烈な人間風刺と皮肉を感じました。

 

ギャンブルに関しては、他にも、今までの『カイジシリーズ』をオマージュしたようなギャンブルや小ネタが山盛りに出て来ます。

 

ギャンブルとしては鉄骨渡り、限定ジャンケン、人間競馬等、

小ネタとしては「愛よりも剣」の登場人物の名前、大掛かりな機械に細工をするところ、

最終的なオチもオマージュ要素がありましたね。

他にも、まだまだあったかと思います。

探してみるのも楽しいかもしれません。

 

最後に、ギャンブルがどうこうよりも、

「どれだけ事前に相手の出方を読んで、対策できたか」が勝敗を決めるところが、好きな人は結構好きなんじゃないかなと思いました。

 

デスノート的な感じと言いますか。

そういえば、カイジと協力していた女の子も何となくミサっぽかったですし。

いえ、何でもないです。

 

元々、カイジにそういう要素があるので、カイジらしいだけと言えばそうなのですが、

何故かデスノートが見ていてチラつきました。女の子がいたからでしょうか?

 

私自身、相手の手の内の読み合いみたいな雰囲気は好きなので、そういう意味でも『カイジ ファイナルゲーム』は面白かったです。

 

まとめると、社会問題について考えたり、人間について考えたりと、頭を使いたい人には向いている映画かなと思います。

 

逆に、仕事終わりに、何も考えずに気軽に楽しむのにはやや向いていないかもしれません。

 

私は、たまたま上司との仕事が終わって、電車の中で上司のマシンガントークを1時間くらい聴いた後に観てしまったので、観終わった後にちょっと頭痛がしましたからね。

 

休息を十分に取ってから観るのがお勧めです。

 

 

以上になります。

次回は、料理に戻って、今更ながら目玉焼きを作ります。